社員インタビュー

インタビュアー遠藤

まずお二人のお名前と、勤続年数を教えてください。

坂本

工場長の坂本です。勤続年数は…ウン十年です(笑)

山形

班長の山形です。勤続19年です。

遠藤

山形さんが工場で一番お若いんですよね?勤続19年ということはアラフォーですか?まだ30歳くらいに見えますが。

山形

いえいえ(笑)

坂本

山形が現在、一番の若手です。

遠藤

三陸技研で作っている製品について、簡単に教えていただけますか?

坂本

FRP製品を製造しています。FRPというのはガラス繊維を使った強化プラスチックなんですけど、薬品タンクとか、脱臭塔とか、ダクト関係をメインに製造しています。

遠藤

FRPという名前は聞いたことはあるのですが、実際にどんな製品かは知りませんでした。今回取材をさせてもらって、私たちの生活に不可欠なものと分かりました。今回は社員インタビューを通して製品や会社の魅力を発信しようという試みです。いくつか教えていただきたいのですが、まずはお二人の入社のきっかけから教えてください。

坂本

先代の社長とご縁がありまして、うちでものづくりしてみないか?と誘っていただいたのがきっかけです。私は昔からものづくりが好きでして、気づけば30年くらい、この会社にいます(笑)

遠藤

工場の取材もさせていただいたのですが、けっこうハードなお仕事ですよね?

坂本

粉塵の舞う場合もありますし、タンク上部など高所での作業もあります。でも完成品を見ると、「やったなー」とか「(この仕事を)続けていて良かったなー」と思うわけです。

遠藤

かなり色々な業種で使われていますよね?半導体工場、薬品・食品関係、漁業関係、運送関係、あとは東京スカイツリーのレーダードームとか、本当に広範囲ですよね。

坂本

そうなんです、自分たちの製品が、誰かの生活の役に立っているなと思うと、やりがいがあります。

遠藤

なるほど。山形さんはどうですか?やりがいを感じる瞬間とか、大変に感じる瞬間とか、教えてください。

山形

お客さんから求められる製品を、その通りに作らなければいけないという緊張感はあります。しっかりした製品を作るにはどうすればいいか、工夫しながらやるのは大変ですが、やりがいもあります。

遠藤

お客さんからのオーダーって、ぴったりその通りにできるものなんですか?

坂本

食品関係は特に厳しくて、異物が入ったりしてはいけませんし、特に気を使いながらやっています。図面上に寸法はもちろん入っていますが、人の手で造るものなので当然誤差も出ます。それを修正して完成させていくのが大変といえば大変です。管理職としては工程管理も気を遣います。作業の優先順位の付け方で、進み具合も変わってきますので。

遠藤

まさに職人の仕事ですね。納期もあるんですよね?

坂本

当然ありますし、飛び入りでオーダーがきて、納期がないというか大至急やってほしいと言われたりすると、慌ただしくなります(笑)

遠藤

今は何人体制で工場が稼働していますか?

山形

18人です。

遠藤

釜石の人口が減っていく中で、製品自体のニーズはあるけれども、働き手が少ないとも聞いています。どのような課題意識がありますか?

坂本

若手を育てたいという想いはあります。ただ中々、この仕事を希望するという人も少ないのが現状かなと。

遠藤

山形さんは新卒で三陸技研ですよね?

山形

はい、地元の工業高校を卒業してすぐ入社しました。

他の社員

彼は定年までいてくれるそうです(笑)

遠藤

やはりものづくりが好きなのですか?いきなりですが、会社のアピールをしてもらえますか?

山形

自分たちが作った製品が意外なところに活用されていたり、暮らしの中で役立っていたりするので、そういう点を知ってもらえたら嬉しいですね。

遠藤

まちとしてももっと製造業が活性化すると良いですよね。

山形

若い人は県外に就職する人も多いので、地元に残ってもらうためにも、もっとものづくりの楽しさが伝わればいいですね。

遠藤

あと東日本大震災のこともお尋ねしたいのですが、お二人は津波によって工場が全壊して、そこから再建するのも目の当たりにしてきたんですよね?

坂本

そうですね、工場も壁がなくなったし、設備もほとんど流出したって感じで。社長はじめ従業員4名も流されて亡くなりました。本当にひどい状況だったので、この先どうなるのかなという漠然とした不安しかありませんでしたね。ただどうにか再建させたいとは思っていました。

山形

僕もこの会社に残りたいと思いました。(県外などに)出ていくことはあまり考えませんでした。続けられるなら続けたいと思っていました。工場が再建されると聞いたときは嬉しかったです。

遠藤

なるほど。とても大きな困難を乗り越えて現在に至るのですね。最後の質問になりますが、この先、三陸技研をどんな会社にして行きたいですか?

山形

たくさんの種類の製品を作っていますが、やり方さえ覚えれば誰にでも製作できるという面もあります。若い人が加わってくれることで、もっと様々なジャンルの製品作りにもチャレンジしていけたらなと思います。

坂本

今も会社の雰囲気は良いですが、若者や女性がさらに楽しく働けるような会社になればいいなと思いますね。

遠藤

若者や女性が増えて、活躍できるような職場、良いですね!ものづくりのまち釜石として、三陸技研の未来に期待しています。ありがとうございました。

坂本

ありがとうございました。

山形

ありがとうございました。